今日は、先日の熱帯夜対策のときに、学生さんから追加でいただいた「剥けそうな皮膚は、剥いていいのですか?」というご質問にお答えしたいと思う。
細かく肌が荒れたりしているときや、入浴中などに、ボロボロと皮膚が落ちると、どうしても触ったりしている間に、ついつい剥いてしまうという話はよく聞く。
本来、人間の皮膚は、ターンオーバーといって、皮膚の基底細胞が角質層に移行し、皮膚表面から自然とはがれていく。
いわゆる「垢」が生じるわけじゃな。
この周期は28日で繰り返されているのじゃが、自然の剥離以外にも、角質層が老化したり、ダメージを受けたりすることで、一部が破損、その破損した部分を擦ったり、剥いたりしてしまうことがある。
アトピー性皮膚炎の人の場合、このダメージは、掻き壊しにより生じることになる。
じゃが、本来のターンオーバーの周期を待たずに皮膚を剥いてしまった場合、角質層に移行するはずの基底細胞がまだ準備されておらんことになる。
拒食症の写真の前と後
ということは、角質層が不十分な状態を一定期間(次のターンオーバーまで)維持させてしまうということになるのじゃ。
角質層が不十分な状態=角質層内での水分保持能力の低下、ということなるので、肌の乾燥状態が生まれたり、バリア機能が低下した状態になる。
これまでのブログでも書いてきた通り、角質層内の水分保持能力の低下=肌の乾燥という状態は、直接、痒みを知覚する神経線維が角質層内に侵入することを許しやすくなるので、痒みが増すリスクが生じる。
もちろん、ダメージを受けた皮膚は、ターンオーバーとは別に、修復機能も有しておるから(傷ができてもかさぶたになって剥がれるまで数日ぐらいで済むように)、常にターンオーバーの周期に同期して皮膚が再生を繰り返すわけではないのじゃが、連続してダメージを与える、つまり毎日のように、肌を擦ったり剥いたりしていると、その修復機能も追いつかないことになるんじゃ。
したがって、できる限り、肌を剥いたり擦ったりすることは、控えた方が良いということじゃな。
Bうつ病B B B Bチャットルームの記事で
当然、痒みがあって、掻き壊すことで肌がダメージを受けるのは、アトピー性皮膚炎の症状がある限りにおいては、仕方がないことじゃ。
じゃが、痒みを伴わない状態で皮膚が毛羽立ったりしているのが気になって、剥いたりするのは、その後の、皮膚の自然再生の状態を考えても、メリットは何もない。
さらに、剥いている=肌へのダメージ、でもあるので、剥いているうちに肌に炎症が生じれば、そこから「痒みが生まれる」こともある。
お風呂で、ボロボロ皮膚が落ちるので、気になって擦っていたら、全身が痒くなってきた、という話を聞くことがあるが、まさに、このことが影響していると言えよう。
また、ダメージを受けた状態の肌を剥くことは、バリア機能も低下させるので、今の季節、感染症も誘発しやすくなる。
特にステロイド剤を使用中の人は、皮膚の免疫力を低下させているので、要注意じゃ。
ローランドオクラホマ州の減量クリニック
どうしても、肌がボロボロして剥きたくなった時は、逆に、スキンケアをしっかり行って、肌のケアを行うように心がけたい。
その場合、細かくボロボロした状態のときには、ローションやクリームなど、水分を含んだアイテムで、破片状に肌が剥けるような場合には、オイルなど油性のアイテムでケアを行うと良いじゃろう。
ということで、「剥けそうな皮膚は、剥いていいのですか?」という質問については、「剥けそうな皮膚は、剥かずに、適切なスキンケアを行うようにする」ことが良いということじゃ。
おまけ★★★★東のつぶやき
以前、取材した先生がお話されていましたが、皮膚は人間が持つ最大の「臓器」であること、そして、臓器として皮膚を見た場合、顔の皮膚、体の皮膚、というように部分的に分かれているのではなく、全体が一つの臓器を形成している、ということでした。
顔が痒くて掻いていると、その後、足や腕が痒くなったりすることや、リバウンド時に、ステロイド剤を使用しなかった部位に炎症が広がるのも、皮膚が一つの臓器のためだそうです。
そういった点を考えても、一か所の皮膚を剥いたりすることは、皮膚全体に影響を及ぼす可能性を示唆しているので、無理やり剥くようなことは止めた方が良いでしょう。
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